「旦那~、遅くなってごめん~」
 森の主の塔の書庫から階段を降りてきたギルは、リビングに入ってギクリと足を止めた。
 そこには塔の一階にあるモールの診療所に、誰か怪我人を連れてきたのか、巡回の森の戦士の隊が座っていた。
「……何だ……また、姫様に取り入って何かしようとしているのか?」
 睨む銀狼族の年輩の戦士に首を竦める。
「おい、その言い方はなんだ。お前達はうちの人事にケチをつけたあげく、まだ文句を言うのか?」
 怒りの声を上げるノーム族の戦士に
「全く、それぞれの一族の長の任命には互いに口を出さねぇ、つう暗黙の掟があるっていうのに……」
 まだ、若頭である千之助の解任騒動を腹に据えかねているらしい、影烏族が追随する。三種族の査問委員会で、ギルと千之助が銀狼族に訴えられ、ギルが森の参謀見習にノームの参謀、戦士も辞めさせられてから一ヶ月。必死のギルの訴えと、アレンの失踪で、これ以上の処罰は森の警備体制を維持出来なくなると、千之助は半月の謹慎で済んだ。が、更に険悪になった三種族にリビングがピリピリした空気に包まれる。
 そこに咳払いが響く。
「いい加減にしろ。姫様の前でみっともねぇ」
 当事者の千之助の注意に、視線がソファに座って魔道書を読んでいたフェリスの元に集まる。本から顔を上げ、困ったように笑む森の主に皆が黙り込んだ。
「おい、診療所での治療が終わったぞ」
 森の主の下僕である黒い肌の竜人が現れる。
「それとギルがここにいるのは、フェスが書庫の整理を頼んだからだ。ここの書庫については先代を除けば、ギル以上に詳しい者はいないからな」
「……すみません」
 銀狼族の若手戦士が、憮然とした顔の年輩の戦士を促し、ギルに頭を下げて出て行く。その後をバツの悪い顔をして千之助を除いた、残りの戦士も続いた。
「……思った以上に空気悪くなってるね」
 皆が塔を出た後、キッチンから草原の戦士、白い毛並み人狼族、雪狼族のデビットと草原の小人族、シルフ族のリッキーがひょっこりと顔を出す。
 アレンを『回顧の草原』に移籍させたい雪狼族の族長の使い、として森にやってきた二人だが、本当の役目は長老により孤立している『贖罪の森』に今の状況を説明し、外部との連絡を取れるようにすること。アレンの従弟で森に何度も訓練で訪れたことのあるデビットに、智将デュオスが『魔道の塔』で開発した、より高度で傍聴の難しい通信魔法と、それを仕込んだカードを森に持ち込むよう依頼したのだ。
「フェリス様、無理にリビングにいないで、僕達みたいに隠れていた方が良いですよ」
 デビットが窓の側に立ち、外の様子を伺いながら少女を気遣う。
 森の主の少女は最近、このような険悪な空気を押さえる為、巡回の隊が来る、昼時や夕刻はリビングにいることが多い。心配げに自分を見る空色の優しい瞳に
「うん、ありがとう」
 フェスはにっこりと笑ってみせた。
「でも今日は時間が気になって……」
 リビングの時計を見上げる。細い指が魔道書のページをめくり、そこに挟まれていた布を取り出す。それは光沢のある正方形の布だった。金糸銀糸で複雑な魔法陣が縫い取られている。
「これで、その……長老に気付かれずに街のアレン達と連絡が取れるのよね」
 『長老』という言葉にラドの顔が強ばる。彼はデビットが持ってきた智将の手紙を読んでから、暗い表情でぼんやりとしていることが多い。少女の視線から金の瞳をそらす。
「そうですよ」
 デビットが明るい声を上げた。
「今日、昼の列車でテオ様が街に着いたそうです。テオ様なら、きっと森の結界を守る魔法を作ってくれますよ」
 昼過ぎ、デビットが魔将から渡された一人用の通信カードに、街にいるエミルから連絡が入った、テオ達一行が街に着いたので、皆の顔合わせも兼ねて行う、一回目の通信時間が伝えられたのだ。
「きっと大丈夫です!」
 少女を励ますデビットに
「お前なぁ、それだと、まるでエミルが役に立たないみたいに聞こえるぞ」
 空気を変えたい幼馴染の思惑を察して、リッキーがわざとらしくツッコむ。
「だって、智将様の依頼を受けたのは、アレン兄さんと僕とテオ様と海の戦士達で、リッキーとエミルは無理矢理、着いてきただけじゃないか」
「お前一人を危ないところに行かせられるかよ」
 デビットが『贖罪の森』に行くと聞いた途端、リッキーは自分の草原の警備のスケジュールを開けて貰い、エミルはすぐに王城の義父に連絡を取り、王府に自分とリッキーも森に行けるように頼んで貰った。
「もう、二人して僕を何だと思っているんだか」
 ふてくされるデビットに
「戦士としては少しは腕を上げたが、オレ達がいないとまだまだ頼りない、おちょこちょい」
 きっぱりとリッキーが言い切る。図体はデカいが、兄貴分であるリッキーに全く頭の上がらない彼に、フェスがくすくすと赤い髪を揺らした。
 少女の笑い声に嬉しそうに笑んだ、デビットの白い耳がピンと立つ。耳を動かし、玄関を見る。
「……診療所を閉めたみたい。鍵を掛ける音がした」
 同居人の医師夫妻には、今夜は呼びに行くまで、診療所の方にいて貰うように頼んである。
「いよいよですな」
 千之助の声に、フェスが頷いて、テーブルに布を広げる。
「呪文は大丈夫ですか?」
「うん。何度も練習したから」
 胸に下げた出身国、ノースフィンの象徴の竜のモチーフのペンダントヘッドを杖に変える。ギルとリッキーが、街の仲間達への連絡事項をまとめた綴りを手にする。
 ポーン……ポーン……。時計が鳴る。
 フェスは布の魔法陣の上に手をかざすと、呪文を唱えた。

 黄色い光が魔法陣を巡る。
 フェスが発動の呪文の詠唱を終えると魔法陣の布の上に、二人の少年と、六人の人種も様々な大人の小さな像が浮かび上がった。
 エミルとテオ。ロベルト、泰造、ルチア、の三人の隣で
『バラルト商会のカルロスも申します。世話役として皆様のお手伝いをさせて頂きます』
 穏やかな顔の大顎族の男性が礼をする。彼はテオの従者ブランカの父の秘書で彼女の恋人。ブランカが王府への連絡係としてカターリナに残った為、彼が街に滞在する彼等の世話役を引き受けたのだ。
 更に
『何、情けない顔をしているのですか? ラド、貴方らしくもない』
 プラチナブロンドを首に後ろでくくり、背中に垂らした銀縁の眼鏡の男、ラテルが竜人の顔を見上げてヤレヤレと息をつく。
 そして……。
「アレン……」
 素直に喜ぶ少女に、魔法で黒狼族の姿に変身しているアレンが
『いきなり森を飛び出してすみません』
 頭を下げた。
 カターリナの象徴、波に鯱が戯れるモチーフの杖を手にしたテオが、フェスの手にした魔道書を見て嬉しそうに呼び掛ける。
『フェス、僕がデビットさんに渡した魔道書、読んでくれたんだ』
「うん!」
『まだエミル兄さんとカトリでしか成功してないんだけど……もしものときに練習しておいてね』
 テオがデビットに託した魔道書。それは、それぞれの浄化地の囚われ人となる主達が、力を互いにやり取りする貸与魔法。去年の秋からカトリとテオとエミルで練習しているもので、既に兄妹のエミルとカトリでは成功しているが、他人同士、エミルとテオ、カトリとテオでは一度も成功していないものだった。
 街に来る前、そのカトリと直接電話で話し合ったエミルが、フェスに呼び掛ける。
『本当はカトリも来たがっていたんだ。でも、花園はまだ母上の力が十分に回復してないから、離れるわけにはいかなくて。カトリが向こうで他人でも魔法を成功させる方法を調べるって言っていた』
『絶対にフェスを助けるんだからっ!!』
 電話の向こうで意気込んでいたカトリの様子を伝えると
「はい!」
 フェスが笑顔を見せる。
「智将様の手紙と一緒に、カトリ姉様からの手紙も貰いました」
 そこにはカトリの妹のように思う少女への、優しい慰めと励ましの言葉が書き連ねてあった。魔道書をぎゅっと抱き締める。
『大丈夫、フェスには私達三人がついているから』
 フェスが頷いた後、千之助はさっきから顔を伏せたままのアレンに、わざとらしいのんびりした声を掛けた。
「よう、アレン。黒い毛並みもよく似合うじゃねぇか」

「本当、男前って得だよね。変身しても男前なんだから」
 ギルがやれやれと肩を竦める。いつもどおりの幼馴染のやり取りに、アレンがようやく顔を上げた。
「……千、ギル、すまん……」
 情けない顔で謝るアレンに
「なあに、こうして戻ってきてくれたんだ。良いってことよ」
「そうそう。アーくんが好きになった……ノーラさん、だっけ。その人の言う通り、今はカインくんと森を救うことだけを考えようよ」
 にんまりと笑う二人に、アレンの耳の内側がさっと赤くなった。
「デビット……っ!!」
 おしゃべりな従弟を睨む。デビットがこそこそと、リッキーの細い背の後ろに隠れる。
「実は、ボク達の方もアーくんに謝らなければならないんだ」
『絵は思う以上に描く人の心を表すものなのです』
 ノーラの言葉にカインの絵を調べるために、千之助とギルは智将の手紙と、カインのしてきたこと、今の彼と森の状態を、異母兄弟の父母、アルフとレイナにも告げた。
「……! それで義母さんは……!」
 義理の息子と実の息子。ここ数年、二人の間に挟まれ、度々身体を壊していた義母を気遣うアレンに、ギルが「大丈夫だよ」と告げる。
「『草原に行ったことでアレンにとても良い出会いがあったみたいだし、その女性の言うとおり、私も今はアレンとカインのことだけを考えるわ』って言って、デビットくん達の調べ物を手伝っている。アルフさんはやっぱり族長だから随分責任を感じていたけど、そんなレイナさんを見て、精力的にアーくんの分も森の警備をしているよ」
「……そうか」
 義母にもノーラのことを話したらしい従弟を再び睨んだ後、ふうと息をつく。
「それで何か解ったか?」
 アレンの問いに、リッキーが綴りをめくった。
「レイナさんがカインくんの描いた家族の肖像画を保管していてくれたんです」
 それは今から四十六年前の日付の入った絵で、カイン自身が他の大きなゴミと一緒に出してあったのを、こっそり回収して夫婦の部屋の棚にしまっていたのだという。
「多分、それがアレンさんの言っていた最後の肖像画ではないかと思います」
「アレン、覚えているか? ジャンヌさんと雪之丞の旦那が、初めて森に来た幽魔事件の後、戦士に何人も犠牲者の出た特Aクラスの魔獣襲撃があったことを」
「ほら、超大型の火蜥蜴が森を襲ったときのことだよ。あれから二人が、定期的に森に帰ってくるようになったんだ」
 千之助とギルの話に、アレンが記憶たどって頷く。
「……確か、銀狼族(うち)に再起不能の怪我人が数人出た襲撃だったな……」
 今から四十五年前、森を特Aクラスの危険指定魔獣で、標準サイズの二倍以上もある、巨大な火蜥蜴が襲ったことがあった。森のあちこちを燃やされながら、ようやく信頼関係が築けるようになったラドと森の三種族の戦士が総出で倒したものの、しばらく警備の人員不足にジャンヌと雪之丞が派兵されたのだ。その後、森の住民に受け入れられた二人は、長期の休暇の度に森に『帰って』くるようになった。
「あのときは相当混乱していたから、族長もレイナさんも事件以外のことはほとんど覚えていないんですけど……」
「レイナおばさんが、カインくんが肖像画を捨てたのは、その事件の後のような気がするって言ってる」
 つまり、カインが森を省みなくなったのは四十五年前の事件に原因があるようだ。
「ただ……古い事件なもので銀狼族にもほとんど記録が残ってなくて」
 困った顔をするリッキーとデビットに
「ボクも塔の書庫に、何か記録が残ってないか調べているけど……」
 四十年以上のものとなるとなかなか見つからないらしい。書庫の整理という口実のもと、今日も一日記録を探していたギルが肩を竦める。
「だったら、私に任せて下さい」
 メモを取っていたラテルが顔を上げる。
「『剣の塔』には珍しい魔獣の襲撃事件として記録が残っているかもしれません。それに雪之丞にも聞いてみましょう。雪之丞はマメに日記を付けてますから」
 他に何かありましたか? ラテルの声に、今度はギルが使いこなれたスケッチブックを出した。
「肖像画を調べるついでに、カインくんが森に帰ってこなくなった時期からの、彼のスケッチも見てみたんだけど」
 ページをめくり、皆に見せる。
「去年の早春あたりから、カインくんが頻繁にある家の中の絵を描いているんだ」

 * * * * *

 今も街のどこかに潜伏しているかもしれない、長老配下の魔道士の存在を考慮して決めた制限時間、いっぱいまでつかった森との通信を切ると、賑やかな人夫の声が聞こえてくる。
 バラルト商会に荷が着いたらしい。会議室として使っている部屋の魔法陣を片づけたテーブルに、カルロスはポットを置き、通信の終わった皆にお茶を淹れた。
「……さすが、森の参謀を任されるだけのことはあります」
 街の地図を広げてラテルが唸る。
 ギルが指摘したのは、カインのスケッチブックの中の静物画の背景だった。
 果物や花等が描かれた絵の、後ろの部屋の様子が、壁紙や家具の配置、窓の外の様子から、同じ住宅で描かれたものではないかというのだ。
「カインくんが長期に渡り滞在していた家……彼に取り入った幽魔、テリーの家かもしれませんね」
 それらを丁寧に調べ、ギルはその家の間取りと、窓の外の特徴ある風景を書き出していた。
「……街灯の形や周囲の家の外装から、多分このあたりの高級住宅街の一軒家だと思われます」
 ラテルの指が、街の中心街に近い一角を指す。
「そこにカインが!?」
 勢い込むアレンを「解りません」と制する。
「彼を取り込んだ後、引き払っている可能性もあります。しかし、何らかの手掛かりが残っているかもしれませんので、私が部下を使って家をつきとめます。解り次第、一緒に検分にして下さい。それから……」
 ラテルが街の西の端の一角を指す。
「ここ、旧市街地で冬の終わりから、何度か怪しい発光現象が目撃されてます。今、調べてますが、長老が結界解除の魔法のテストを、ここで行っていた可能性があります。施術痕が見つかり次第、テオ様に調査をお願いします」
「解りました。義父上から一通り、森の結界術に関する講義は受けてきました」
 テオの養父、ベルナルド王は別名『魔道王』と呼ばれ、始祖竜の魔法にも精通している。テオもまた『魔道の塔』が指導をさせてくれと頼むほどの才能を持っている。
「よし、こちらは明日から、街にどのくらい幽魔がいるか調査しよう」
 ロベルトが皆を見回した。先程ラテルから人数分の、幽魔が見分けられるカードを受け取っている。それを使って、街にいる幽魔の総数と大体の戦力を計る。
「エミル様とテオは、バラルト商会から出ないこと」
「私は皆さんと一緒に行動させて下さい。身を守る程度は戦えますし、カードを持っていない、邪気の薄い幽魔を見分けることも出来ます」
 頼み込むエミルに「僕も……!」テオも声を上げる。
『お前は絶対にダメだ』
 そのときテオの心に、泰造の声が滑り込んだ。
 『追憶の海』で生まれる『王の子』には『海の子』と呼ばれる読心力を持つ者が生まれることがある。そのテオの力を知っている、泰造の心での会話だ。
『えっ……! でも!』
『忘れたのか? 『海の子』であるお前は、幽魔の邪気に弱い。これから森の結界術を守る方法を調べなければならないのに、お前が倒れたら元も子もないんだぞ!』
『……はい』
 小さく肩を竦めたテオに頷いて、泰造がロベルトに目をやる。ロベルトが苦笑して
「では、エミル様だけで。流石に今の我々に二人の『王の子』を守る余裕はない。テオは待機だ」
 と告げた。
「ルチアにはテオの警護を頼む」
「えっ? 何?」
 考え事をしていたのか、名前を呼ばれて弾かれたように、ルチアが顔を上げた。
「何、ボケっとしてやがるんだ」
 養兄の渋い顔に
「……ごめん、ちょっと気になっていることがあって……」
 申し訳なさそうに謝る。
「どうしたの? ルチア」
「うん、『カイン』って名前、智将様のテオへの手紙以前に、どこかで聞いたことがあるなぁ~って、ずっと思っていたんだ」
 ルチアが猫の瞳を空にさまよわせた。
「それって海で?」
「うん……どこでだろう……」
 彼女は首を傾げた後、ウィンディーネ族の武器である、腰に下げた特製の小さな矛を手に取った。
「解った。あたいはまだまだ未熟だから、テオと留守番役だね」
 早速、明日からの街の調査の打ち合わせに入る。そんな皆にラテルが言いにくそうに切り出した。
「実は……皆さんに街を調査する前に聞いておいて欲しいことがあります」
 深く息をつく。そして、冥王に近いある人物が、冥王を裏切り、長老の配下として、街に潜んでいることについて話し出した。

 * * * * *

 水色の瞳をガラスのように光らせた犬型獣人の拳士の蹴りが、彼をからかった男の首に決まる。
 声も立てられずに吹っ飛び、壁に鈍い骨の砕ける音を立ててぶつかった男は、そのままずるずると床に落ちると黒い霧となって消えた。
「……これで解っただろう? 今から『あの方』が戻るまで、オレがここを仕切る」
 いつもの彼からは想像もつかない、氷のような声が静まりかえった部屋に響く。軽そうに見える濃い茶色の毛がメッシュのように入った前髪をかきあげ、彼は周囲の強ばった顔の男達……幽魔達を見据えた。
「……ああ」
 先程、王府に仕えていた者等、信用出来ないと一緒に彼をなじっていた幽魔が震えながら頷く。
「冥王は天界とのトラブル解決に、オレの妹を売った。先に裏切ったのは冥王だ。オレはもう冥王を信用しない」
 どかりと男……ジャンヌが、彼等の潜伏しているアジトのソファに座る。
「……解った……」
 折角、身体から放つ光で、自分達を焼き尽くす力を持つ長老がいなくなり、羽根を伸ばせると思っていたのに、別の『天敵』が現れた。大人しくなった幽魔達が身を竦める。
 怯える仲間の中、テリーだけが涼しい顔で、ジャンヌを見ている。
 部屋の隅では、黒い筒袖の黒い袴、黒い乱れ髪に白い鞘の太刀を腰にした幽魔……修羅がうつろな瞳で彼を眺めた後、瞳を閉じた。

NEXT

inserted by FC2 system