前奏

 21XX年、地球に小惑星が衝突する可能性が指摘された。大きさは15キロメートル超。衝突地点の地震の規模はマグニュード11、海に落ちれば300メートルの津波が起きる。
 軌道計算により、90パーセント以上の確率で、小惑星は地球に衝突する。
 この人類滅亡の危機に、国連と国際宇宙事業団は小惑星の軌道を変える計画と共に、それが失敗したときの為の、地球人の他惑星移住計画を推し進めた。
 既にドーム型基地が建設され、移民が可能になっていた火星の移民枠は、優秀な研究者や技術者、宇宙開発に多額の資金を援助してきた有志で、直ぐに埋まった。
 その他の地球から脱出したいという人達の為に、事業団が提供したのは、資金面と人道的観念から凍結されていた、系外惑星への移民計画だった。
 まずはテラフォーミングプログラムを搭載したロボット作業機達が目的の移民星へと飛び立つ。彼等は移民船が辿り着く前に、移民星が居住可能な状態にする。
 そして、宇宙船が完成し、搭乗員の選定が終わり、宇宙エレベータから飛び立った。
 目的惑星は14光年先。搭乗者は2万人。5代に渡る、船という一つの小さな世界での旅が始まった……。
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