1.自宅謹慎明け

 季節の変わり目。しがみつく冬の悲鳴のような風の音が吹き抜ける深夜。テリーに連れられて、カインは街の旧市街地に訪れていた。
 この街が出来始めた頃に建てられた町並みは、時が流れると共に老朽化が進み、住人のほとんどが出てしまい、貧乏人や流れ者が居着く貧困街と化している。その一角、店舗の後、倉庫になり、今は打ち捨てられた建物の貯蔵庫だった地下に向かう階段をカインは降りていた。
 突き当たった鉄で補強された扉を開く。淡い緑色の光が暗い階段に漏れ出た。
 広い元貯蔵庫の床には巨大で複雑な魔法陣が描かれ、光を放っている。その脇に、背の高い白い肌の竜人と、黒い蓬髪を首の後ろで括り、黒い筒袖に黒い袴を身に着け白い鞘の太刀を一本、腰に差した男が立っていた。
 テリー達から『あの方』と呼ばれる男と幽魔、修羅。二人にテリーと共に深々と礼をする。
 『あの方』がカインを振り返り、口元に穏やかな笑みを浮かべた。
「見なさい」
 白い皺の寄った指を魔法陣に向ける。ぼうっとこんもりとしたブロッコリーがいくつも合わさったような、大きな森が魔法陣の上に浮かび上がる。その周囲、森の木々と周辺の平地の境目当たりにポツポツと黄色味掛かった光を帯びて、六つの光る岩のようなものが更に浮かんだ。
「これが森に張り巡らされた結界の結界石だ」
 自分がギルから聞き出した話をテリーに話して、わずか十日ほどで、それを探り当てた『あの方』の技量に驚く。
「何、丁度、私が研究していた呪術が使われていたからだ」
 素直に感動を表情に出すカインに『あの方』は微笑んだ。
「これをより強固なモノに作り替える。そうすれば、お前の森の主の少女と義兄を森から解放したいという望みも叶うし、私の若い同胞を天界に帰したいという望みも叶う」
「若い同胞?」
「ああ、我が一族の有能な若者でな。奸計にはまって『三界不干渉の掟』を破り『贖罪の森』の主の下僕になったのだ。既に恩赦は降りているのだが、優しい男で森の主の少女に同情したらしく、彼女を守り抜くと誓いを立てているらしい」
「ああ…」
 カインの脳裏に過保護な家政夫兼、下僕の黒い肌の竜人が浮かぶ。そういえば肌の色が違うだけで『あの方』と彼はそっくりだった。
「その為にも、お前は明日森に帰ってくれ。そろそろ森の参謀見習の自宅謹慎が解けるらしい。この作戦の邪魔をさせないように、奴を見張って欲しい」
 『あの方』はカインに、複雑な模様のような魔導文字の書かれたカードを渡した。
「これに話掛ければ、テリーとすぐに連絡が取れる。参謀見習がおかしな動きをしたら、逐一これに報告するように」
「解りました」
 カインはカードをシャツの胸ポケットに入れた。テリーに促され貯蔵庫を出る。
 ギッと扉の閉まる音が響いた後、『あの方』の口元に先程までとは正反対の冷たい笑みが浮かんだ。
「……純粋故に愚かな……」
 くつくつと喉を鳴らす。
「テリー、もし森の参謀見習が我々の邪魔に動き出したら……解っているな」
「はい。奴も奴の友人の若頭の立場も危うくする手を既に握っております」
 テリーは床に膝をつくと、深々と頭を下げた。
「修羅、お前は動きを止めた『幽魔狩り』の二人を見て来い。片割れの犬が思った以上に回復が早い」
 『あの方』が着ている白いローブの懐から、一通の封書を取り出す。森を孤立させ計略を上手く運ぶために、街の郵便局に入り込ませた者が抜いてきた封書。それは『幽魔狩り』の犬型獣人の拳士が森の主の少女に、怪我をした自分の身体の回復具合を知らせる手紙だった。
「まさか手を抜いたわけではなかろうな」
 睨む『あの方』を修羅が黙って見返す。
「……お前の大切なモノが、我が手のうちにあるのを忘れるな」
 『あの方』が封書を投げ渡すと、修羅は黙りこくったまま、ふっと闇に消えた。
「……片割れの犬の大切なモノも、もう我が手のうちだがな」
 冷笑を口端に乗せ、印を組む。
「……思った以上に手を加えた複雑な術だ。解読には今少し時間がいる……」
 だが……。魔法陣を見つめる金の瞳が細くなる。
「もうすぐだ。もうすぐ私が長年求めていたモノと、制裁を受けるべき愚か者が我が手に戻ってくるぞ」
 緑の光が強くなる。楽しげな笑い声が光に照らされた口元から漏れた。


 パチン! 大きな音を立ててストーブの中で薪が弾け、『贖罪の森』の主の塔の三階の一室で、書庫から持ってきた本に没頭していた、ノーム族の参謀兼、森の参謀見習のギルは我に返った。
「えっ!? もう夕方なんだ」
 窓の外の葉を落とした黒い骨のような木の枝と、灰色の雲の隙間から見える空は薄く橙色に染まっている。部屋の中にも夕暮れの薄闇が忍び寄っていた。
 そろそろ、早春と呼ばれる季節。徐々に春に近づく気温に、窓から見えるひさしの先からは積もった屋根雪が溶けた滴が連続して落ちている。
 切れ間から覗く夕日に照らされオレンジ色に光る滴に、十日ほど前の学習会で、ぼんやりとそれを見ていたカインの横顔を思い出し、ギルは小さく息をついて部屋を見回した。
 あの一週間前の事件……カインに『贖罪の森』の大襲撃で死んだ父と森の戦士を貶なされ、ギルが彼を殴った事件……が起こるまでは二人の学習室とされていた部屋は、置かれていた大きな机も椅子も資料も片付けられている。薪ストーブだけが、あのときのまま赤々とした炎を覗き窓から覗かせていた。
「……ボクが、もっと大人だったら、あんなことにはならなかったのに」
 燃え揺らぐ赤い炎に息苦しさを覚えて視線を外す。
 あれから一週間。森には更なる衝撃が走っている。
 ギルが兄であるノーム族の戦士のリーダー、勇者フレッドに銀狼族へのけじめとして、謹慎一ヶ月、最初の一週間は自宅謹慎を言い渡され、家に籠もっている間に銀狼族の族長の息子、族長見習のアレンが失踪してしまったのだ。
 あの日、異母弟のことを詫びに、もう一人の幼馴染、影烏族の戦士のリーダー、若頭の千之助と共に家に訪れたアレンは、二人だけにはカインに言われたことを全てを話したギルに何度も謝り
『オレがカインと話をする』
 約束して帰っていった。
 そして、確かに彼は夜、異母弟と話をしたらしい。だが話し合いは言い争いになってしまったらしく、その後カインは家を飛び出し、今も帰って来てない。
 更に深夜、アレンまでもが森の南の影烏族の門から
『カインを探しに行ってきます』
 老練の影烏の戦士に告げて出て行った後、行方不明になってしまったのだ。
「アーくん……どこに行ったんだよ……」
 千之助が街の警備隊に使いを出したところ、アレンは街の銀行に寄った後、マルセイヌ、カターリナ、ダルハンを繋ぐ路線のターミナル駅の中で目撃されている。
『もしかしたら、『回顧の草原』に住んでいる、叔父のオリバーの元に行ったのかもしれない』
 腕利きの若手戦士である息子が抜けたことで、森の警備の調整の相談にフレッドを尋ねた、異母兄弟の父、銀狼族の族長のアルフが詫びの言葉と共に話していた。
「……ボクがあのときカッとならなければ……」
 苦渋が浮かんでいたアルフの顔に思い出し肩を落としたとき、コンコンと部屋のドアが鳴った。
「はい?」
「ギル、ちょっと良いか?」
 森の主の少女フェリスの過保護な下僕、兼家政夫、ラドの声がドア越しに聞こえる。
「良いよ」
「すまん」
 ドアが開いて、香ばしいコーヒーの香りと共に黒い肌の竜人が入ってくる。
「話をして良いか?」
 彼はギルが本を読んでいた小さなテーブルに、コーヒーを淹れたカップを置くと改まった様子で頼んだ。


 パチパチとストーブから、燃える木の弾ける音がする。
 彼の淹れた香り高いコーヒーを啜りながら、前に座るラドを一週間ぶりにマジマジと見て、ギルは精悍な顔が、かなり憔悴していることに気付いた。
「どうしたの? 旦那。……姫様があの事件以来、落ち込んでいるとか?」
 あの事件で、この部屋でギルに殴られたカインは、その後、一階のリビングに逃げ込んだ。
 そして、そこに居た森の主の少女に、森の者として言ってはいけないことを言ってしまったのだ。
 『贖罪の森』の主は冥界一、魔の者に狙われやすい浄化地に住む人々を守る為に、常に森にいなければならず、力が衰え、次の森の主が決まるまで森から離れることは出来ない。
 しかし主と言えど、まだ少女。故郷の両親の元に帰りたいと思うこともあるだろうし、せめて少し森から離れて、街で好きに遊んでみたいと思うこともあるだろう。
 それは森の戦士も住人も良く解っている。それでも、主になってから森を一歩も離れず護ってくれている少女に感謝して、森の人々は彼女の前では彼女が口にした場合を除き、故郷の話はしないし、彼女が望むとき以外では森の外の話題も避けていた。
 なのに
『姫様だって、こんな森を守ってないで、家にお帰りになりたいですよね!?』
 カインは人前で、彼女に絶対に訊いてはいけないことを訊いてしまったのだ。
 このときフェスはラドに背に庇われ、彼の背にずっと顔を伏せていた。
 その後、優しい少女は即座に皆の前で、カインの言葉を否定出来なかったことを気に病んでいると聞いている。それをずっと引きずっているのかと尋ねたギルに、ラドは静かに首を振った。
「いや、それはもう随分と落ち着いた。森の皆が、いろいろとフェスを気遣ってくれたお陰でな」
 それぞれの夫からこのことを聞いた影烏族の頭、直吉の妻、お多恵と千之助の妻、お千代が、フェスの好きなぼた餅を作って訪ねてきてくれたし、フレッドの妻、ステラとギル達兄弟の母、エマはフルーツケーキを焼いてきて遊びにきてくれた。
 他にも『オレ達は姫様の親衛隊だ』と自負している子供達が、彼女を連れ出して彼等のとっておきの冬の遊び場を回ってくれ、戦士達も仕事帰りに寄っては、自分達は少しも気にしてないことを彼女に告げ慰めてくれた。
『皆、本当に優しいよね』
 そんな皆の気遣いに、彼女の顔にはいつもの笑顔が戻ってきている。
「アレンのことも、まだ日が浅いせいだろう。そのうち帰ってくると信じている」
「……じゃあ……」
 何が問題なのかと訊く森の参謀見習に
「実はアレンが森を出たのは、俺のせいかもしれないんだ」
 ラドは苦い顔で話し出した。


「実は、あの日の晩、気晴らしに寝る前に夜空を見ていたフェスが、塔から誰かが飛び出して、森の中に駆け込むのを見たんだ」
 そのときラドは丁度、片付けが終わったキッチンで、やりきれなさからモールと二人で軽く飲んでいた。
「そこで、もしかしたらアレンとカインの族長の跡目問題が、お前達二人、若頭とギルにも及ぶかもしれないという話をしたんだ」
「そんな……」
 唖然とギルは明るい茶色の瞳を見開いた。が、その頭の中に去年の暮れ、街にいるカインを探し出す為に、街の警備隊の隊長に、こっそり今の銀狼族の状況を話したことが過ぎる。
 確かにアレを森の銀狼族に知られたら、プライドの高い彼等のことだ。一族の恥を森の外の者にまで晒したと怒り、千之助もギルも只ではすまないだろう。
「あのときは飲んでいたのと、モール先生と話していて気付かなかったが、後から思えば微かにキッチンの裏口から人の気配がしていたような気がする」
 元天界聖獣軍の少佐だったラドの気配を察する感覚は、雪之丞の次に準ずる。ザルとはいえ飲むと少し感覚が鈍るらしいが、それでも十分に鋭敏な彼に、わずかしか気配を感じさせない者といえば限られてくる。
「うちの兄さんに、アルフさん、頭、千ちゃんと……」
「アレンだな」
 ラドは重い息を吐いた。
 あの真面目な幼馴染が、フェスやラドに一言お詫びをしようと思い、塔を訪れるのは十分考えられる。
 夜更け、フェスはもう寝ているかもしれないが、せめてラドには謝罪しようとし、閉まっている玄関に灯りのついているキッチンの裏口に回って、その話を聞いたとしたら……。
「カインとの話し合いが決裂した後だけに、もう森に自分の居場所が無いと飛び出したのかもしれない……」
 ギリと奥歯を噛み、顔を歪ませる。
「すまん……」
 詫びの言葉を口にするラドをギルは「旦那のせいと決まったわけじゃないよ」と慰めた。
「三年前、族長補佐の話が出てから、アーくんとカインくんの仲がますますぎくしゃくしちゃったから……」
 積もりに積もったそれが、今回の事件で爆発してしまったのだろう。
「これではっきりしたよ。アーくんが向かったのは『回顧の草原』で間違いない」
 幼い頃、幼馴染に誘われて行った一面に草の海が広がる浄化地。滅多に魔物の来ない、のんびりした空気。アレンと同じ白い毛並みの穏やかな雪狼族の人々。
「きっと、いろいろ煮詰まって、亡くなったお母さんに会いに行ったんだと思う」
 白い毛並みの人達に囲まれて、楽しそうに笑っていた少年時代のアレンの笑顔。それに幼心ながらも、ここが彼の本当の居場所なのではないかと思ったことを思い出し、ギルは小さく苦笑した。
「叔父さんのオリバーさんは真面目な人だから、きっとアーくんが草原にやってきたら、それを知らせる手紙をくれると思う。それが着いて謹慎が解けたら、ボクが草原に行ってみるよ」
 その頃にはアレンの気持ちも落ち着いているだろう。そこで、これからどうするかを話し合ってみる。
 にっと笑ってみせたギルにラドは張っていた肩を下ろした。
「やっぱり、お前が森の参謀で間違い無いな」
 感謝の笑みを浮かべる。
「モール先生が一昨日、一連の出来事を書いた手紙を先代に送った。それを読めば先代が、今の銀狼族の族長問題に進言してくれるかもしれない」
 先代の森の主、クルトは『贖罪の森』の大襲撃で魔族に負わされた傷により、年々低下していく力をアイテムや薬で補って、フェスが森の主になるまで森を守り通した。それだけに森の、特に年輩の戦士や住人の信頼が厚い。彼の話なら、皆聞いてくれるかもしれない。
「クルト様には申し訳ないけど……これで再び良い方向に向かうと良いな」
 ギルがほっと息をついて、コーヒーを飲み干す。そのとき、パタパタと廊下を走ってくる軽い音がした。ドアが開いて、赤い髪の少女が顔を出す。
「ギル! 来てたんだ!」
 影烏族の里に遊びに行っていたフェスの、弾んだ声と笑顔が飛び込んでくる。
「うん、お邪魔してます」
「良かった〜。もう家に籠もってなくて良いの?」
「まだ謹慎中だけど、今日から森の中なら自由にして良いって、兄さんが言ってくれたよ。心配掛けてごめんなさい」
「ううん。じゃあ晩御飯、一緒に食べよ! ラド、良いでしょ?」
 ぱああっと明るい笑みを浮かべてフェスが訊く。
「それは良いが、フェス。帰って来て、ちゃんと手洗いとうがいをしたか?」
 過保護な下僕の注意に、主の少女はちろりと舌を出した。
「は〜い」
 ドアを閉め、パタパタと下に戻る足音に二人で思わず吹き出す。
「思ったより、元気そうで良かった」
 ギルは机に載せていた本から借りていく本を選び、書庫に返す本を持って立ち上がった。
「これを片付けたら、晩御飯の支度を手伝うよ」
「ああ、頼む」
 今夜は久しぶりに賑やかな夕食になりそうだ。少女の笑顔と軽くなった肩に、ラドも空になったコーヒーカップを手に立ち上がった。


「そう言えば旦那。最近、書庫に何かあった?」
 ギルが突然、質問を繰り出す。
「無いが……どうした?」
 逆に聞かれてギルは、冬の間に伸びた金茶色の髪に覆われた首筋の後ろを撫でた。
「二代目の冥王様の時代、最初の聖魔大戦が起こったとき、ある王が冥界を守る為に使った強力な攻撃魔法で、自分の守る国も魂も国民も一夜で灰にしたって話、旦那も知っている?」
 ときに冥界も巻き込んだ天界と魔界の大戦。それは四度に渡り勃発し、各界が荒れ果てた末、ようやく当時の冥王の仲裁で和平が結ばれた。
「ああ、それ以降、冥界では一定以上の力を持つ者が攻撃魔法を覚えることを『禁忌』として、その攻撃魔法が書かれた魔導書のうち数冊が、この森の力を借りて塔の書庫の何処かに封印されているのだろう?」
 ラドが頷く。『禁忌』以前の攻撃系の呪文が書かれた、ほとんどの魔導書は、冥界王都にある『魔導の塔』の開かずの書庫に封印されたが、特に危険で書かれた文字自体が力を持つ数冊が、ここ強い浄化の力を帯びる『贖罪の森』の主の塔の四階、五階の書庫の何処かの隠し書庫に納められているという。
「天界でも『封印の書』は有名なの?」
「いや、俺の一族の長老が、それに興味を持っていて聞いたことがあるだけだ」
 『光の竜』の一族の一番の若手で、メキメキと天界軍で頭角を現していた自分を、長老が自らの後継者と決めていたのを思い出し、今の自分の黒い肌の手を見て苦笑いする。
「それでそのせいか、いつも書庫に入ると、どこかにある封印の結界の力を感じて、こう首筋の後ろがピリピリするんだけど……」
 ギルはノーム族一の技使い。ノーム族の男としては小柄で痩せぎすな自分の足りない力を、地脈を読む技術力でカバーしているせいもあって、そういう力の流れに敏感だ。
「それが今日入ったら、ちょっといつもと感じが違ったから……」
 ふむ。ラドが唸る。
「といっても、隠し書庫の在処はフェスも知らないが」
「うん。冥王様と宰相様と魔将様しか知らないし、開けられないって話だもんね」
「毎年、フェスが外からちゃんと封印の力が働いているか、確認だけしているが……」
 フェスに頼んで明日にでも、もう一度確認してみるか。頷くラドにギルが尋ねた。
「でも、一体どんな魔導書が封印されているんだろう?」
「なんでも、俺達、竜族の先祖、始祖竜が初代の冥王に頼まれて作った魔導書だというぞ」
 一度で良いから目にしてみたい。長老が子供のように目を輝かせて話していた様子が過ぎる。
「そういえば、隠し書庫の封印の結界は、森の周りや村や里の張られている、初代森の主の結界術だって聞いたことがあるよ」
「……ほう……」
「それも始祖竜が作られた術の応用なんだって」
「……こんなところで竜族と森が繋がっているとはな」
素直に驚く竜人にギルが笑う。二人は部屋を出ると階上と階下に、それぞれの用に足を向けた。
NEXT
三話MENU
九章MENU inserted by FC2 system